・インプラントの治療ならどの歯科医院でも同じなのでは?
・インプラントの治療をする歯科医院をどう選べいいの?
こういった疑問や不安を抱えている患者さまが少なくありません。しかし、どういった分野であれ、医療の技術差はかなり大きなものです。歯科医療に限って言えば、虫歯の治療や抜歯、入れ歯、差し歯といった被せ物・詰め物の治療などにも、歯科医師の格差・技術差があり、得意・不得意が分かれます。インプラント治療のような専門性が高い分野では、こういった格差・技術差がさらに大きくなるのです。
インプラント治療にあたる歯科医師は、年間100本以上の実績があって初めて一人前と評価されます。年間100本以上の実績を出すためには、GBR、スプリットクレフト、サイナスリフト、ソケットリフトといった骨造成に関する技術が必要です。骨造成ができて初めて、患者さまのお口の状態に応じたインプラント治療をご提供できる環境が整うといっても過言ではありません。
こうした技術を高いレベルで身につけ、専門的な知識を得るためには、セミナーや学会などに定期的に参加し、研鑽を積みつつ、数多くの臨床経験を積む必要があります。インプラント治療を極めようとするなら、毎日のようにインプラント治療を行いつつ、さまざまな場で知識を吸収しなければならないということです。
インプラント治療がうまくいくかどうかは、治療にあたる歯科医師の技術いかんです。十分な技術があれば、患者さまの骨が少ない場合でも治療できますが、経験が少なかったり技術に乏しい場合は、十分に骨があるケースであっても不安がぬぐえません。インプラント治療のような外科手術においては、当然、何らかのリスクがあります。だからこそ、どの歯科医院でも同じという認識は捨てていただきたいのです。
日本には、国の認定を受けるインプラント専門医制度がありません。複数存在する学会がそれぞれに専門医制度を持ち、それぞれの基準で審査をしている状態です。こういった事情から、審査基準も統一されていません。また、インプラント専門医だからといってインプラント治療に特化しているわけでなく、普段は一般診療を行っている開業医が大半です。専門医、認定医の資格がひとつの基準にはなりますが、資格があれば確実に腕がいいとも言えないのが実情です。
しかし、近年は、大学病院のように、1人の患者さまに対してさまざまな分野の専門医が集まって治療するチーム医療(インターディシプリナリー治療)を行う歯科医院や、インプラント治療に特化した専門医が手術のときだけ非常勤医師として入る歯科医院も増加傾向にあります。
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インプラント治療を受ける際の歯科医院選びのポイント
インプラント治療を受ける歯科医院を選ぶ際は、HPなどの情報だけをもとに判断すべきではありません。実際に歯科医院に足を運び、歯科医師と直接話して、人となりや歯科医院の雰囲気などを知ることが大切です。歯科医院では、以下に挙げる3つのポイントに注目してみましょう。
① どのインプラントメーカーの製品か
世界にはさまざまなインプラントメーカーがありますが、そのすべてが実績豊富なメーカーなわけではありません。自分の身体に埋め込まれるものなだけに、どのインプラントメーカーなのか、アフターケアの体制があるものなのかを確認しておくことが大切です。
② インプラント治療の経験が豊富な歯科医師なのか
治療の精度やインプラントの寿命は、治療にあたる歯科医師の技量によっても大きく左右されます。歯科医院を選ぶ際は、担当医がこれまでに経験してきた症例やインプラント治療における実績の有無などを確認しておきましょう。
③ 設備や機器が十分に整っているか
インプラント治療の安全性や確実性を高めるためには、、歯科用X線CT診断装置をはじめとする設備・機器も重要です。インプラント治療に必要な設備が整っているかを確認し、術中・術後のリスク軽減に努めましょう。